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登録範囲 |
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城壁に囲まれた旧市街、及び城壁外の歴史地区の一部。 |
場 所 |
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クロアチア/ドゥブロヴニク県 |
〜遺産価値について〜 |
アドリア海に面した城塞都市ドゥブロヴニクは、その歴史を通じてビザンティン帝国、ヴェネツィア、ハンガリー、オスマン帝国と宗主国を変えてきました。しかし、独自の共和国体制を維持し、15〜16世紀には地中海の海上交易で繁栄。富を背景に、町には聖堂や宮殿が建ち並びました。赤い瓦屋根と白壁が陽光に輝く中世の町は「アドリア海の真珠」と謳われたほどです。多数の外国船が出入りすることから、排水設備や薬局、検疫所などの公衆衛生施設が早くから完備され、町並みの美しさだけではなく機能的な港湾都市としても、アドリア海沿岸の中世都市の模範でした。20世紀末の内戦で2000発の砲弾、爆弾を浴び、町は壊滅状態に陥りましたが、1995年以降、市民たちの手によって再建されました。建築には破壊前と同じ材料が使用され、壁の彫刻も忠実に修復されるなどして、かつての輝きを取り戻しつつあります。内戦直後、ドゥブロヴニクは危機遺産に登録されましたが、めざましい復旧の末、1998年に危機遺産リストから除外されました。しかし、完全復旧には相当の時間と経済的援助が必要とされます。 |
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